「毎月なんとなく使って、残ったお金を貯金に回す」──こんな家計管理をしていませんか?
実はこのやり方、FIRE(経済的自立・早期リタイア)を目指すうえでは非常に非効率です。
確実にお金を貯めるには、“余ったら貯金”ではなく、“先に貯金”するスタイル=先取り貯金が鉄則。
この記事では、先取り貯金のメリットや具体的な方法、FIREを目指す人にこそおすすめしたい理由をわかりやすく解説します。
なぜ「残ったら貯める」では貯まらないのか?

「お金が余ったら貯金に回そう」——一見、合理的なようでいて、このやり方ではなかなか貯金が増えていかないのが現実です。
理由はシンプルで、“人は余ったお金を自然に使ってしまう生き物”だからです。
収入=使っていいお金、ではない
収入が口座に入ると、「この中で自由にやりくりしよう」と考えがちですが、明確なルールがないと、ついつい「ちょっとしたご褒美」や「急な出費」に使ってしまいます。
気づけば月末にはほとんど残らず、「今月もまた貯金できなかった…」という悪循環に陥ることも。
“残ったら貯める”は、支出が主役になっている
この方法の根本的な問題は、「生活費が主役、貯金は残りもの」という構造になっていること。
つまり、貯金はあくまで「余裕があればするもの」という位置づけになってしまい、習慣化しにくいのです。
使っていいお金を“先に決める”ことが大事
逆に、貯金を優先させると、残りの金額内で生活する意識が自然と身につきます。
「使っていいのは◯万円まで」と決まっていれば、無駄遣いも減り、支出の優先順位も明確になります。
次のパートでは、この考え方を取り入れた「先取り貯金」の基本的な仕組みについて解説していきます。
先取り貯金とは?基本の仕組みと実践の流れ

先取り貯金とは、給料が入った時点であらかじめ貯金分を別口座に移すことで、確実に貯蓄を継続する方法です。
「残ったら貯める」とは逆に、まず“貯める”、そして“残りで生活する”というのが最大の特徴です。
先取り貯金の基本的な流れ
- 毎月の貯金額を決める
収入の1〜3割程度が目安。無理のない金額からスタート。 - 給料が入った日に貯金口座へ自動で移す
自動積立機能や定額自動送金を使うと手間なし。 - 残ったお金で1ヶ月の生活費をやりくり
「これは使っていいお金」と明確に意識する。
“貯金が先、生活費はあと”という仕組み化がカギ
この順番にすることで、貯金が「習慣」になり、貯まる家計へと自然に変わっていきます。
重要なのは、「お金が余ったら貯める」ではなく、“お金を余らせる仕組み”を先につくるという考え方です。
次のパートでは、先取り貯金がFIREを目指す人にとって、なぜ相性抜群なのか、その理由を掘り下げていきます。
先取り貯金のメリット|FIREとの相性が抜群な理由

FIREを目指す人にとって、先取り貯金は最も基本かつ強力な武器のひとつです。
ここでは、先取り貯金がFIREと相性が良い理由を、4つの観点からご紹介します。
1. 強制的に貯まる仕組みができる
FIREには、計画的に資産を増やすことが欠かせません。先取り貯金は「気分」や「タイミング」に左右されず、自動的にお金を貯められる仕組みです。
手元に残ったお金だけで生活する習慣がつくため、無理なく支出を抑える生活スタイルが定着します。
2. 収支のバランス感覚が磨かれる
「この金額で1ヶ月を乗り切る」という意識が高まり、生活コストの最適化につながります。
結果として、FIREに必要な生活費(ミニマムライフコスト)を下げる訓練にもなります。
3. 投資資金を確保しやすくなる
FIREの実現には、貯金だけでなく資産運用による増やす力も必要不可欠です。
先取り貯金を通じて、投資に回す余剰資金を確保しやすくなり、資産形成のスピードが加速します。
4. お金の管理がシンプルになる
「使っていいお金」と「使わないお金」が分けられるので、家計が視覚的にスッキリします。
家計簿アプリや通帳の管理も簡単になり、ストレスなく貯められる体質が手に入ります。
次のパートでは、実際に先取り貯金を始める具体的な方法と、便利なサービス・ツールをご紹介します。
先取り貯金の具体的なやり方|おすすめサービス・設定方法

「先取り貯金がいいのはわかったけど、実際どうやるの?」という方のために、すぐに始められる方法と便利なサービスをご紹介します。
ステップ①:貯金額を決める
まずは毎月いくら貯めるかを設定します。目安は、手取り収入の10〜30%。最初は1万円など少額でもOKです。
大切なのは、無理せず続けられるラインを見極めることです。
ステップ②:自動でお金を移す仕組みを作る
手動で移すと忘れたり面倒になりがち。できるだけ自動化するのが継続のコツです。
おすすめの方法は以下の通り。
- 銀行の「定額自動送金サービス」:給与振込口座から毎月自動で別口座へ
- 貯蓄専用口座の開設:楽天銀行・住信SBIネット銀行などで管理しやすい
- つみたてNISAやiDeCoに自動入金:貯金と投資を同時に叶える方法
ステップ③:生活費の口座を分ける
「貯めるお金」と「使うお金」を明確に分けることで、無意識の出費を防げます。
たとえば、生活費用のメイン口座と貯金専用のサブ口座を持つだけでも、管理がしやすくなります。
ステップ④:家計管理アプリで見える化
手間なく続けるには家計の状況が見えることが大切です。
マネーフォワードMEなどの家計管理アプリを活用すれば、口座の残高・支出の推移を自動で可視化できます。
「使っていいお金だけが目に入る仕組み」をつくることで、ストレスなく続けられる家計管理が実現します。
次のパートでは、先取り貯金を挫折しないための「メンタルブロックの乗り越え方」や、無理なく続けるコツをご紹介します。
無理なく継続するコツ|メンタルブロックと向き合う方法

「先取り貯金を始めたけど、結局続かない…」という悩みを抱える人は少なくありません。
続かない原因の多くは、心理的な抵抗=メンタルブロックにあります。
「貯金するとお金が減る気がする」という感覚
貯金口座に移すと、使えるお金が減るため、“損したような感覚”を覚える人もいます。
しかし、実際には未来の自分にお金を渡しているだけ。貯金は支出ではなく「自己投資」なのだと意識を切り替えましょう。
「急な出費が怖い」→生活防衛費を先に確保
「いざという時のために残しておきたい」という不安があるなら、生活防衛資金(生活費3〜6ヶ月分)をまず確保しましょう。
そのうえで、貯金・投資用と生活防衛費を分けて管理すれば、安心して先取りができます。
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「モチベーションが続かない」→目的と視覚化がカギ
“何のために貯めるのか?”が明確でないと、習慣は続きません。
「FIREを達成して50歳で退職」「子どもの教育費を確保する」など、目的を具体化しておきましょう。
貯金額をグラフ化したり、アプリで“見える化”することで、達成感が得られ、継続のモチベーションになります。
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完璧を求めない|続けることが最優先
毎月の貯金額が多少変動しても構いません。「貯金をやめないこと」がもっとも大切です。
先取り貯金は、金額よりも習慣化こそが最大の武器になります。
最後のパートでは、この記事のまとめとともに、先取り貯金を生活に取り入れる一歩を後押しします。
まとめ|“習慣化”こそが最強の資産形成術
「残ったら貯める」スタイルでは、気づけば貯金ゼロ…という結果になりがちです。
一方で、先取り貯金は自動的にお金が貯まる仕組みを作る方法。最初に設定さえすれば、あとは無理なく資産が積み上がっていきます。
FIREを目指す人にとっても、貯蓄と投資の“種銭”を継続的に確保できる先取り貯金は、大きな武器になります。
そして何より重要なのは、「習慣にしてしまうこと」。
金額の大小ではなく、「毎月当たり前に貯める」「残りで暮らす」という仕組みを生活の一部にすることが、あなたをFIREへと近づけてくれます。
まだ始めていない方は、まずは月5,000円でもいいので“先取り”を試してみることからスタートしてみてください。
継続は、最大の節約。未来の自由は、今日の小さな習慣から生まれます。
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